さぁ、あたしをつかまえてごらんなさぁーい。あはははぁ。
「大麦畑でつかまえて」の感想です。
読み返したらヒドイ批評だったから、あんまり読まない方がいいかもなぁ。
※ ※ ※ ※
あたしねぇ、このタイトルにはあんまり意味はないと思っておりました。
ただ、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」のもじりなだけだと思っていたので、ハッキリ言ってCM見たってピンと来なくて。
で、よくあるコトなんだけど、全然関係ない瞬間に…そう、例えば車運転してる最中に急に
「あ、あれってそう言う意味なんだッ!!!」
とか、気が付いたりする。今回だって、CMでちゃんと「つかまえてる」のに、随分経ってから
「あッ!!! もじりだけじゃなかったッ!!! つかまえてるッ!!!」
って。
遅ぇって。
ただねぇ、そうなると1時間ドラマだし、“ああ、きっとああなってこうなって「つかまえて」終わりなんだな”って大まかなあらすじが見えてきてしまって少し損をした気分になってしまいました。
あとはそれをどれだけ楽しめるかだよね、と思ってね。映像やセリフや役者さんの演技でどれだけ「魅せられる」かだな、と思いながらビデオを巻き戻したのでございますよ。
で、
まずですねぇ。「なんて共通語なドラマ」なんだって思いましたね。ひとっつも北海道弁出てこなかったね。あれじゃ、我が家の会話の方が北海道らしいですって。ケンカして感極まってるのに『共通語』だもん。
あ、いやいや、洋ちゃんだけはやっぱり細かいところ北海道弁…うーん。もう「北海道弁ですらない北海道弁」とでも言うんでしょうか? 雰囲気? 醸し出すものが北海道でした。(だからって富良野な雰囲気ではないんだけども)
それから
「風が歌ってる」
なんて言葉、旦那や彼氏に言われたら…あたしは顔面めり込むほどパンチを食らわすでしょう。それから正座させて懇々と説教するかも。
「あんたは恥ずかしくないのか?」と。
「今時、少女マンガでも使わない表現だぞ」と。
もう、そばで甥も一緒に見てたんだけど、一瞬『あの時』と同じ感覚になりましたね。
家族で一緒にドラマを見ていて、ふいに「ラブシーン」になってしまった時の緊張感。
『恥ずかしい言葉』には、同じような後ろめたさがあります。
と、辛口批評ばかりですが、もうちょっと言わせてください。
最後、いちばんいい場面。主人公とその嫁が向き合って会話をするシーン。
なんでずっとひとりずつの画面の繰り返しなのでしょうかね? 別撮り? って思っちゃう。それが随分と繰り返されるのが、何か意図があるんだろうかと勘ぐってしまいそうになりました。あんまり好きな感じじゃないなぁ。
でも、姑と嫁が引きの画で抱き合って仲直りするシーン。あたしは好きでした。
洋ちゃんが車で嫁さんを追い掛けてるシーンで顔をしかめてるところがあるんだけど、そこで急に
「ああ、東京タワーの延期って話、これ撮ってる時に決まったんだよな…」
って思って、感慨深いものがありました。
洋ちゃん、モリの演技に関しては…彼らはまだまだなんじゃないかと、これまた厳しい評価をしておきます。
どこをどう切り取っても「大泉洋」なんだよなぁ…
例えば歌手が、独特な歌い方をするのはいいと思う。歌だけ聴いて歌手名が出てくるくらいの個性がなきゃダメだと思う。
役者と言うのは難しくて、その役を演じてる時にその役者の名前が出てきちゃいけないんだと思う。でも、だからって誰がやっても「同じ」な演技ではいけなくて、「その人にしか出せないもの」があって、でも「その人が出てはいけない」。
「さすが大泉洋」と思わせなきゃいけないけれど、画面に映ってるのが「大泉洋」であってはならない…のではないかと。
画面の中にいるのは、「3年前に東京から帰ってきた、元サラリーマンで今は農家を継いでる優柔不断で大雑把な亭主」でなければならないはずで、「北海道に親を残して東京で看護師をしている男」や「大学時代に会社を興して美人さんと結婚、その後仕事で失敗し離婚して子供も取られちゃった無職の情けない男」をふっと思い出させてはいけないと思う。
厳しい?
「同じようなセリフの言い回し方」をする時があって、それに気づいてドラマに引き込まれてた気持ちが離れるのが残念なのですよ。
リーダーは、逆に常に「リーダー」なので、もう逆の発想で、個性の強い食材をどう料理して「あら、これ○○なの? こう言う味にもなるのね」と思わす楽しみを、作る側が味わえる役者なんではないだろうか? と思えてきました。
今回の役だってねぇ…バロックな格好させたら「サリエリ」にもなれるし(想像したらおもしろいな。麦畑で「カットーッ!!!!」とか言ってるサリエリ(笑))。
でも不思議なコトに、「大泉洋」ほど「森崎博之」が出ていないのですね。
これはひとえに、「常に大きな引出しがひとつ」と言うモリの信念の賜物なのかしら???
それともやっぱり洋ちゃんに厳しいのかしら、あたしは?
最後に。
あたしの悪い癖で、こう言う背景の底の深いお話の場合、
「こんな簡単には行かないだろう、普通」
とか冷めた目で見てしまいがち。「農家」「離農」「農家の嫁」「嫁姑問題」なんて、これまたディープな素材でしょう。
だから今回もいくら洋ちゃんが主役だって言ってもそんな目で見てしまって、やっぱり最後もスッキリするものがありませんでした。
最後の“落ち(?)”も笑うところなのかどうか微妙だったし。
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