『どうでしょう本 第2号』感想文。~そしてすべてが懐かしい~
四国のお話は、前に書きました通り、行くに行かれない理由がありまして、「おいしそう!でも行けない…」の繰り返しになりそうなので省きます。だってあれはもう、「THE讃岐うどんガイドブック」ですもの。ふじやん、ごめん。
そんなワケで「四国快晴」。言っとくけど、うれしー贔屓じゃないからねッ!
うれしーの文章で癒される、と書かれる方がいらっしゃいますが、確かにそんな文章もあります。が、今回の文章は切なくなるばかりでした。
うれしーを見ていると、お年寄りが「わしにもそろそろお迎えが来る頃だな」と安らかな表情で言って、孫かなんかが「じいちゃん、縁起でもないコト言うなよ!」って云うようなドラマとか映画とか…あるじゃないですか。そのお年寄りのイメージがあるのです。
年寄り扱いとかじゃないよ、うれしーッ!!
例えば人生をマラソンに例えると、若い人はまだゴールはずーっと先で、何が待ち受けてるのかわからなくて、死ぬってコトが怖いんだと思うのです。
でも、お年寄りはゴールが見えて来て、そこがどんなになっているか、誰が待っているか知ってるから、いきなり走るのを止めるのは怖いけど、若い頃よりも恐れはないのではないだろうかと…思うのですが、うれしーはなぜか、お寺の息子だからなのか、普通の人よりその辺が見えてる人なんじゃないかと。
決して悟っちゃって人間の出来た人ではないけど(出来た人間ならパン盗まれたくらいであんなに怒らないって)。
…ああ、今思った。うちの死んだ犬みたいな人だな。
うちの犬、すごいダメ犬で、家族以外の大人が怖くて、子供には態度がでかくて、ごはんあげればあげるだけ食べちゃって後で具合悪くなっちゃうようなヤツでね。
兄弟みたいに育ったから相談相手だったんです。あたし、兄がいない長女だから親にも妹にも愚痴れない立場で、散歩に出掛けては犬に愚痴ってたんです。
悪いコトをしたら「ごめんなさい」って態度に表したり、うれしかったり悲しかったり、一通りの感情は人間と同じだったけど、ただひとつ、「死ぬことへの恐れ」はなかったんじゃないかと思うのです。
死ぬ3日前まで普通に元気で、散歩へ行き、ごはんを食べていて、翌日から身体がだるくなったのか、散歩を催促しませんでした。
その翌日、ごはんも食べなくなり、翌朝には朦朧とした意識の中で、仕事に出掛けるあたしをじっと見つめていました。
……
ま、いいや、犬の話は。
とにかく、切なくなる話ばっかりだ。と、こう言いたいんです。
…ダメだ。うれしーの話はまとまらない。
最初の赤い字で書かれた、「どうでしょう」の本当の最終回のずっとあとの話の回想している人と、あとでうれしーの話に割り込んでくる「声」は同一人物なんじゃないかって思うのですが…どうでしょう。
文章って、書いてるその瞬間だって、読んでる時はもう「過去」になっちゃう。「今」と書かれていても、それは「今」じゃない。
それで未来からの「声」を入れて、この文章に「過去」と「現在」と「未来」を同居させているのかな?って思いました。
いちばん切なくなったのは、
「会社辞めたらさぁ、沖縄に住むから」
の辺り。
だって、『一生どうでしょうします』って言ったじゃない。一生続けるためにベトナムで一旦終了したんでしょ?
だったら「会社やめる」のも「沖縄に住む」のも「別府へ住む」もの有り得ないじゃない!!
でも、
結局ね、『一生どうでしょうします』ったって、D陣はサラリーマンですから定年が来ます。どんなにがんばったって、10数年後には必ず「どうでしょう」は終わるんです。
「これが本当の最後の旅です。テレビで新作を放映して、来年DVDを出して、『どうでしょう』は終わります」
と云う日は必ず来ます。
あたしはそれをわかってるけど、あんまり考えないようにしてる。
わかっててみんな『一生どうでしょうします』って言ってるんでしょ?
でもD陣は当たり前のように「その後」の話をし合っている。楽しみにしてる。
こんなに「うらやましい」と思えていた4人が、日本のあちこちへてんでに散って、会わなくなる日が来るのでしょう。
その時に、世間で「どうでしょう」の話題があがるコトはあるんでしょうか?
あたしはどこまでDVDを買い続けるんでしょうか?
いつまでブログを続けて、いつまでみなさんと「どうでしょう」の話をここでこうして交わしていくんでしょうね?
そう思って切なくなったのです。
もしも未来、「どうでしょう」から興味が失せた自分がいたら、ここでこうやって切なくなって不安がってる気持ちはウソみたいになかったものになってるんだろうな。
でもその時も、「すべてが終わる時にこの世に存在した人が出てきてカーテンコールをする話」とかは覚えてるんだろうな。
「昔、どこかで読んだんだけどさ」
なんて言いながら例え話に使ったりするのかも。
そんなコトを思ったり。
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